赤
(By田島悠一郎)
※SPICA×GANTZより ぬるく暴力表現
(まもるつもりだったのに、)
結局、オレはあいつをまもれなかったのかもしれない。女子に乱暴すんなんてありえなくて、許せなくて。ゲンミツにやっつけてやろーと思ったのに、間に入った俺は返り討ちにされちまって。情けないったら、ねえんだ。ジイちゃんに知られたら、オレ、きっとすっげー怒られる。「女子の一人も守れないで、お前は何をやっているんだ!」ってさ。
(あいつ、髪切ってた。)
髪は女の命だって、いつだったか姉ちゃんが言ってた。ユーメーな、水をかぶると女になる漫画に出てくるヒロインだって、言ってた。オレはそれを知っていたのに、あいつに女の命を犠牲にさせちまった。星人に狙われたオレを庇うために、キレーな髪をあいつは惜しげも無く切ったんだ。だけれどオレは――
ケガしたオレに出来るのは捨て身で星人にぶつかることだけ。あん時は必死だったから全然、考えてなかったけど、オレ、かなりひでーことをあいつにさせようとしてた。星人に飛びついたオレごと、大事な刀で突き刺せなんてさァ、
(まもるためにはそれしかなかった、けど…いー訳だ。)
身体中がとけるみてーに熱くて、背中がすっげージリジリして、目の前がぼやぼやになる中で見たのは、ボーゼンとしてるあいつの顔。
(ごめん、)