それでもふたりは幸せだった


(By内海小槙)


私には好きな人が沢山いて。その沢山の好きな人への感情の形、重さ、量はどれもこれも違います。わかりやすく説明するならば、一氏さんへの好きは男女の好きだし、もう何処か遠くに行ってしまったあの人への好きは敬慕と友愛を混ぜた好きだし。とにかく、私の好きは家族の好きと男女の好きと友達の好きだなんて、たった3つにだけに分けることなんてできません。でもそれはきっと皆が皆、一緒なのかもしれません。

私は毎日、いろんな事を考えて考えては寂しい気持ちになったり、幸せな気持ちになったりします。私は毎日、いろんな人と話して話しては、嬉しい気持ちになっったり、悲しい気持ちになったりします。

今日はすこし、寂しい気持ちです。でも何処かで、満ち足りた気持ちでいます。それはきっと、瞼の裏にふたりの笑顔がいまでもうつっているからでしょう。幸せな笑顔、少し切なそうな笑顔、愛おしげにひとりを見る笑顔。沢山の笑顔。

たとえ、短い時間の付き合いだったとしても、私はふたりが大好きだったとはっきり言えます。





(そんなことを言ったら一氏さんは嫉妬してくれるんでしょうかねえ、)

そして私は、彼と一緒にいろんな好きを見つけながら、大人になろうと思いました。


title:指先